نبذة مختصرة : バイオベンチャー(VB)などの創薬ベンチャーは,シーズの発掘に高度な医学・薬学の知識が必要で,その事業化には各国の薬事行政機関が求める国際的な規制や基準を満たす必要がある。先進国の中でも,特に米国においては,1990年代にはバイオテクノロジーの事業化に成功した企業が登場し,2010年代にはバイオ創薬が新薬創出の主役となった。一方,日本では,バイオテクノロジーの研究者数は多いものの,この分野の産業化は遅れている。 本研究では,日本の株式市場に上場している創薬ベンチャー29社を「成功企業」と定義し,各創薬ベンチャーの起業家を特定し,各社の沿革(1982年から2011年創業)を分析した。さらに,各起業家の経歴などプロフィールに関する情報を収集し,スキルセットを可視化してスキルの傾向を調査した。その結果,69.0%(20人)の起業家が医薬品関連分野で「研究」のスキルセットを有し,31.0%(9人)が「開発」のスキルセットを有し,それらのうち8人の起業家は「創薬」と「開発」の重複スキルを有していた。創薬ベンチャーの創業前に,「企業経営」のスキルを持っていた創業者は48.3%にとどまった。 他業界で起業する場合,起業時に「企業経営」のスキルを持っていることが多い。しかし,創薬ベンチャーの場合,こうしたスキルを持たずに起業するケースが多いことが確認された。 分析の結果,創薬ベンチャーの起業家が有する典型的なスキルは「研究」または「開発」スキルであることがわかった。創薬ベンチャーは,バリューチェーンの中心に研究開発(R&D, Research and Development)があり,その成果が企業全体の業績に影響することが多い。そのため,創業者自身が優良なシーズを持っている場合,他者からの支援を受けやすく,その結果,経営チームの誰かが経営領域のスキルを補えば,事業化しやすい環境が整うことが確認できた。 ; departmental bulletin paper
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